2010/08/06 Fri 15:25 日本
お兄ちゃんがいなくなったんですけど。 知りませんか?」























・・・知りません。




















「昨日の夜から帰ってこないんですけど、見ませんでしたか?」




・・・









ある日の午後。


いつものように店番していると、
嫌に淡々とした口調 の女の子が現れた。
汗一つかかず、目に涙も浮かんでいないから、
大変なことになっている 雰囲気が一切なく、
質問の内容を理解するのに、Dioの 「ザ・ワールド」 のような間が空いた。




見たところ小学4、5年生といった感じだが、
「おニイちゃん」 とやらは6年生だというから、まあそんなところだろう。
実の兄が居なくなったというのに、この落ち着きよう。
わしがこの子ぐらいのときは
冷凍庫の ガリガリ君(ソーダ味)がなくなってただけで 
絶望で 自殺を図るくらい動揺 したものだが、
最近の小学生は大した胆力だ。
殺し屋のスカウトが見たら放っておかないような逸材だ。



















えっと。
つうかここ、 文房具屋 なんですけどね。















近所の人に助けを求めているにしては、
一切面識のないわしの所に来る時点で異常だし、
彼女のおニイちゃんは、文房具屋で一晩明かしたがるほどのマニアなのだろうか?






「わからないなあ。 キミのおニイちゃんがどんな子かも知らないしねえ。
つうかお父さんやお母さんはどうしてるの?」




「二人で旅行に行ってます。」




「へ?
それじゃおジイちゃんかおバアちゃんと一緒に住んでるの?」




「いや、一緒に住んでません。」




・・・




























うろたえるなッ!!ドイツ軍人はうろたえないッ!!
























親だけ旅行って・・・育児放棄もここまで来たか。




「じゃ、じゃあご飯とかどうしてんの?
おカネもらって買ってるの?」




「はい。」




うーむ。




この子のおニイちゃんが失踪したこと以前に、
親の方が大問題だと思うがな。



しかし、この女の子(推定10歳前後)の市役所職員のような冷淡な口調・・・
よほど訓練されている、しっかりしたお子さんなのかもしれない。
だから親も安心して旅行に・・・
って事件起きてるよ!!




ここで、

「ハァハァハァんじゃおぢさんが一緒に探してあげようねウヒヒヒ」

とかいう展開になればドラマ性も増すのだが、
相手が悪かったねぇおぢょーちゃん。
わし、 心がないんですのよ。




「悪いが他を当ってくれ。 アンタ、あの子のなんなのさ(妹だろ)」
的な闘気をまとって適当にあしらっていると、
成果なしと思ったのか、
そのまま女の子は宝塚歌劇団(ドブ組)のようなキビキビした足取りで帰ってしまった。


背後から


「じゃあ警察か児童相談所に電話してみるんだね。
電話してあげようか?」



と声をかけると、





















「あ、警察には言ってないんで。 言わなくていいですから。





















文房具屋にも言わなくていいよ!!



























何だったのだろう?



















① ホントにおニイちゃん(小6)が失踪中なのだが、妹が氷のように冷静。
② 妹が虚言癖
③ もしくは夏休みの宿題で
 「こう言ったとき大人がどんな反応をするか」 というテーマの 自由研究 をしている










うーん。
可能性としては②が最有力ですかね。
個人的には③だとうれしいんですが。
後日 「おニイちゃんが見つかった」 とかいう話は聞かないので、
①ではなかったのでしょう。
とりあえずは、安心です。


あーそれだと 「① まだ行方不明」 の線は消えないけど・・・























結局 未解決 で、気持ちが悪いんじゃ!!























イナカの文房具屋で店番やってるだけでも、割といろいろあるもんだねえ。
























第4、第5の可能性も、考えたら出てくるのかも。
何か思いついたら連絡ください。



大喜利的な答え、お待ちしています。
スポンサーサイト



Secret

TrackBackURL
→http://gamecenterkomine.blog9.fc2.com/tb.php/43-d08bced5